クリーム

シャインのクリームのレビュー・感想・評価

シャイン(1996年製作の映画)
3.9
厳しい父の英才教育で、父へのトラウマを抱え、ピアノに没頭するあまり精神を病んでしまったピアニスト、デイヴィッド·ヘルフゴットの実話を基に製作された映画。やはりジェフリー·ラッシュの演技が素晴らしい。

デイヴィッドはメルボルンで、父·ピーターから独学でピアニストになる教育を受けていた。コンクールで才能を認められ、審査員だったローゼンにピアノを習うと一気に開花。 史上最年少14歳でコンクールで優勝。アメリカ音楽学校へ招待されるが父は拒否。その後、19歳で王立音楽院の奨学生に選ばれ、父の反対を押し切りロンドンへ行くのでした。



ネタバレ↓



ロンドン王立音楽学校のパーカー教授は、熱心に指導をしてくれ、コンクールの最終選考に残ったデイヴィッドは、「ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾きたい」と言う。デイヴィッドの熱意に負け、 挑戦を許した。コンクールで見事に優勝するが、自分を追い込みすぎた彼は正気を失った。精神病院で治療を受け、ピアノを禁止され、オーストラリアへ帰った。デイヴィッドは父に戻った事を伝えるが父は、無言で電話を切った。
10年以上を精神病院の中で過ごし、面会は妹のみ。病院内でデイヴィッドの演奏を聴いた女性が彼を引き取った。
彼は部屋にあったピアノを狂った様に弾き始めたので、ピアノに鍵をかけられてしまった。ピアノが弾きたくて、モビーズという酒場に乱入し、突然ピアノを弾くと大絶賛され、その店のピアノ弾きとなり、新聞でも報道されます。
新聞を読んだ父が、彼を訪ね和解を求めるが、この時は許せ無かった。
店でギリアンという女性と出会い、結婚したデイヴィッド。彼女は彼がピアニストとして再起できるよう支え、リサイタルを行った。スタンディングオーベーションで演奏を讃えてくれる観客を見て、感極まって涙を流すデイヴィッド。見事にピアニストとして復活した。

父はやり方は間違っていたけど、息子を愛していた。デイヴィッドは父を喜ばせ、認めて欲しかった。父を愛するが故、父にずっと縛られてしまっていた。彼の周りに、理解者がいて、助けてくれる人々がいたのは救いだったと思う。それもピアノと言う才能を与えてくれた父のお陰。父によって人生を狂わされたけど、その父が与えてくたモノで自分がいて、成功出来た。音楽を楽しむ事が出来る様になった彼は、音楽家として楽しい人生を送れる様になったんじゃないかと思えた。変に美化せず、好感が持てる良作でした。
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