実在する天才ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの挫折と苦悩、そして再起を描く。
作中の演奏シーンはデイヴィッド・ヘルフゴット本人による演奏だそうだ。
アーティストの伝記は殆どがアルコールやドラッグに溺れてからの再起が多いため、精神疾患と闘いながら再起する姿は目新しく感じた。
暴力と優しさでデイヴィッドを縛り付けていく厳格な父親の歪んだ愛。
精神を病んでしまったデイヴィッドを見ていると、形は歪であっても愛は本物だったのかなと思う。
全てを赦し、父親から解放されたデイヴィッドの表情がとても印象的で清々しく見えた。
アーティストというものは、自らの命を削り何かを生み出しているのだということを改めて感じる。
だからこの才能が埋もれることなく開花して本当に良かった。