しお

シャインのしおのネタバレレビュー・内容・結末

シャイン(1996年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「精神に異常をきたし始める」というあらすじを見て、及び腰で見ましたが、思ったよりさらっとした作品でした。ディヴィットが出会うひとたちが、みんな笑って包み込んでくれているからかな。実在の人物をモデルにした作品のせいか、そうしてこれからも生きていく、という感じの終わり方でしたね。

親子の関係は複雑に描かれていて面白かったです。ディヴィットの父親は、自分が得られなかったものを子供に与えようとしています。息子が音楽で成功していくことを喜び、同時に家族が離れることにおびえて未来を閉ざそうとする彼は、過去にずっと縛られて生きています。
親の存在は子供にとって大きくて、そのしがらみ抜け出そうとしていたとしても、その影響は消えないものです。音楽学校に通い始めてから、ラフマニノフを選んだディヴィットは、自身の挑戦と、同時に父親の影響が浮かびあがってきました。けれど父親がたちどまっていようとも、子供は成長していき、ひとりの人間になっていきます。父親が訪ねてきたシーンは、ディヴィットの決別を感じました。

残念なのは、ピアノがもっと流れていてもよかったんじゃないかと思ったところです。いろんな曲をききたかったな。
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