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シャインのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

シャイン(1996年製作の映画)
3.8
天才少年と呼ばれながら父の重圧に耐え切れず、若くして精神を病んだ実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いたヒューマン・ドラマ。
監督はテレビのドキュメンタリー出身のスコット・ヒックス。
音楽はデイヴィッド・ヒルシュフェルダー。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番などのピアノ演奏はヘルフゴット自身によるもの。
原題:Shine (1996)

~登場人物~
・デイヴィッド・ヘルフゴット(成人はジェフリー・ラッシュ、青年期はノア・テイラー、少年期はアレックス・ラファロウィッツ)
・父ピーター(アーミン・ミューラー=スタール)
・ワイン・バーを営むシルヴィア(ソニア・トッド)
・作家キャサリン・プリチャード(グーギー・ウィザーズ
・英国王立音楽院のピアノ教師セシル・パーカー(ジョン・ギールグッド)
・占い師ギリアン(リン・レッドグレイヴ)

「私の父は理解がなかった。おまえは運がいい」

「人生は過酷だ。音楽が、音楽だけが変わらない友だちだ。そのほかのものはいつかお前を裏切る。…人生は残酷だ。だが、それに耐えて生き残るのだ」

「私の愛は誰よりも強い。他人は信用できん。父さんだけは味方だ。…永遠にお前を守ってやる」

ジェフリー・ラッシュがオスカーをもらいましたが、父親役のアーミン・ミューラー=スタールが本作の要。
アウシュヴィッツ収容所で家族を殺された恐怖を知っているこの男。自分(家族)を残し反対を押しきってロンドンに留学した息子を絶対に許しません。
息子を異常なまでに支配し、暴力をふるい、精神を病むまで息子を追い詰める父親、一番になることしか息子に期待せず息子に依存して生きた父親を冷徹に演じています。
なお、感動を盛り上げるため一部事実と異なる内容になるのは自伝的な映画には付きもの。問題は許容範囲かどうか。さて、本作はどうでしょう?
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