実在のピアニストであるデイヴィッド・ヘルフゴットを演じた主演のジェフリー・ラッシュは第69回アカデミー賞主演男優賞をはじめ多数の映画賞を受賞。
ユダヤ人であるが故に父は幼い頃、第二次世界大戦の渦の中、家族という温かみを知る事なく大人になり父親になる。
そんな父が子供へ最善を尽くそうと努力するが逆にそれが束縛となりデイヴィッドを苦しめた。
本作の中盤、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は父への想いが込められた演奏で精神を病む前の最高の演奏だったに違いない。
これほどにまで数奇な人生を歩んでいる男の話を映画化したスコットヒックス監督に尊敬の念を抱く。