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大菩薩峠 完結篇のkojikojiのレビュー・感想・評価

大菩薩峠 完結篇(1961年製作の映画)
3.8
#1257
1961年 大映映画
監督は森一生。第一、ニ作の三隅研次から交代。三隅研次は大作「釈迦」で忙しくて監督できなかったらしい。
山本富士子も出てないのだけど、それももしかしたら同じ理由ではないかと勘繰ってしまう。

大菩薩峠はストーリー展開が全く予想できないところが、凄く面白い。ある意味なんでもあり。因みにこの映画は後半ホラーにもなる。😱
特に、竜之介は、これまでのヒーローと吐く言葉が全く違って、行動も違って面白い。
どこか狂四郎を連想させる。

 竜神の滝の断崖から落ちた盲目の机龍之助(市川雷蔵)は、危うく一命を取り留める。やがて、顔半分に「あばた」の跡があるお銀(中村玉緒)とともに大菩薩峠に舞い戻った龍之助。ついに、宇津木兵馬と宿命の対決に望むが、足元からくずれ出す笛吹川の濁流にのまれていくのだった。

 竜之介を匿う女性も多い。この映画でも命を救われた竜之介は、ほんの一時期、心が安らぐシーンもあり、子供に会いたいという気持ちが全面にでてくるシーンもある。
3部作の中で、雷蔵が笑う数少ないシーン。
観ている我々がホットしてしまう。

中村玉緒の三役には驚いた。今までたくさんの映画を観てきたが、一人三役は初めてだ。しかし、そこまでこだわる必要がどこにあるんだろうか?

観終わって、全体を考えたとき、人を斬ることで生きていくという竜之介が、何故最後に子供の名前を呼び続けるのか、なぜこれまで斬った者たちの亡霊に悩まされるのか、ちょっと矛盾しているようでよくわからない。
机竜之介は、フォロワーさんの話によると、小説ではまだ生き続けるらしいので、この3部ぐらいでは、生き様が定まっていないのかもしれない。

いずれにしても、完結編という割には、中途半端な終わり方だ。

2023.06.21視聴291
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