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ダークナイト ライジングのERのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

クリストファー・ノーラン監督による「ダークナイト・トリロジー」シリーズの完結編。

この「ダークナイト・トリロジー」は、「ダークでより現実的なトーンで、ヒューマニティとリアリズムに基づいた映画」としてバットマンを描くことを目的としていた(Wikipedia引用)。

そういう意味で、この「ダークナイト・ライジング」という映画もよりバットマンがこの世界に存在するかのように、リアルに描く必要が出てくる。それがこの映画の目的なのだから。

しかし、バットマンとはそもそもアメコミのヒーローで、どうしてもリアルになってしまうと不可思議な部分が出てくる。博士の死体を雑に偽造したり、大人が登れないような場所を子供がクリアしたり。そういう「漫画的表現」と「リアリティ重視の演出」が噛み合わず、違和感が強く残ってしまった。

また、リアリズムを突き詰めるのに重要なディテールが曖昧だったように思える。デント法の概要や悪役の目的など、掘り下げがだいぶフワッとしていて、登場人物たちの行動が平坦になってしまっているように感じた。

前作ではジョーカーの存在感と狂気性が「ダークナイト・トリロジー」と噛み合っていていた。その一方で、今作の悪役は目的が終盤まで明かされず、さらにその目的も少しうやむやな部分があり、「なにを見せられているんだろう」と思ってしまう部分も多かった。

もちろん、マイケル・ケインやモーガン・フリーマンを筆頭に俳優の方々の演技は素晴らしかったし、好きなシーンもあった。「少年の肩にコートをかける〜」のセリフとかめちゃくちゃカッコよかった。
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