Solo1968

ダークナイト ライジングのSolo1968のレビュー・感想・評価

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
4.0
ノーラン バットマン三部作の完結編は、前作ダークナイトという怪作により、自分を始め シリーズを観てきたファンにとっては いかなるキャスト シナリオをもってしても、ダークナイトが残した「あの感じ」を超えることなど不可能と、誰しもがきっと思っていたはずで、そもそも ダークナイト公開直前に他界してしまった彼が残した大きな「あの感じ」を求めること自体がナンセンスなのも充分理解してはいつつも、どうしても見る前から無意識に比較してしまうであろう自分が情けないなと思う。
作品の価値は単なる興行成績というひとつの数値の目安も大切だろうし、またまたその世界のお偉いさんによる 様々な賞という名誉も然り。が、自身の好きな映画が全てそれに比例するかというとそういうことでもなく、それらは自分にとっては 単なるなんかの目安でしかない。

 それらの指標も製作陣や配給会社にとって、どれだけのプレッシャーなのか?個人の趣味で無くプロ = 仕事に見合った対価を受ける プロフェッショナル集団は果たしてどんな気持ちでこのラスト作品をスタートさせたのだろうか?こういうどうでもいい事を考えてしまう。

 さてさて、公開タイミングで、期待だけを胸に観に行った本作は、本当に ラストを飾るにふさわしい、シナリオ スケール 迫力 視覚効果 ずば抜けた 名作だと思う。アメコミヒーロー アクションもバシバシに多いエンタメ作品なのに、怒涛のエンディングには、クソ難いサプライズや映画というものは、見るものにその判断を委ねる そういう典型的な解釈となるにくい演出に溢れ、本作でノーランのバットマンが終わってしまう事の寂しさと、期待以上の内容に心から感動できた。
 前二作品には無かったような感動が本作には沢山あった。

そして、本作を見るとどうしても、またビギンズから通して観たくなり、何度もそれを繰り返した。
その都度各作品の良さが、見るたびに増える。


当たり前ではあるけど、前二作品を見ずに本作のみを観るのでは もちろん本作の良さも半減するだろう。

最初に書いた 前作公開前の悲劇からの本作製作、企画から公開に至るまで、、製作に関わる監督はもちろんのこと 結果的にこんなに素晴らしい作品を作り上げたチームにひたすら拍手を送っている。
とにもかくにも、感慨深い。

これ以上はあり得ない至高の完結をありがとう。
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