みかん

ダークナイト ライジングのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

本作のトム・ハーディ見たさに始めたダークナイト三部作観賞もラスト。
いやぁ、トム・ハーディの肉体素晴らしすぎる。個人的にはマッドマックスのとき位の筋肉量が一番好きだけど、惚れ惚れ。

本編については、ダークナイトでもちょっと感じたけど、より難解だった。
中盤までは、ベインには内包する憎しみや怒りを抑えたような不気味さがあって凄く良かった。
ただ、牢獄にブルースを連れてきたあたりから、彼が何したいかよくわからんくて、言うこと抽象的だし、途中何回か巻き戻して確認してしまったよ。。。
つまるところ、ベインはタリアのために影の同盟の望みを引き継ぎ、ブルースへの復讐と文明社会の退廃とも言えるゴッサムを滅ぼすことを望んでいたってこと?
行動に説得力を持たせることが悪役を魅力的に描く上で重要と思うのに、ベインからはタリアを愛していたから以上の目的が読み取れなかった。
途中までせっかく盛り上げといて、ベイン自身の思想を描かないのはかなりもったいない。
タリアに切り替わった瞬間、一気に小者感がでてしまった。
ジョーカーに続きヴィラン側に期待していた反面、この結末はちょっとがっかりしちゃいました。
あと、爆弾で脅している男に、市民の自由とか街を取り戻せとか言われても、その言葉に同調できる?従う市民も謎でした。

ラストのベインとブルースの戦いもずっと殴りあいだし、結局あっけない終わりだったな。
他のシーンでもバットマンの直接的な戦いは基本殴りが多い。
だから、アクションも爽快感はあまり感じられなかったかなと。

んで、そんなベインが愛したタリアが父を憎むのはわかるけど、父の使命を引き継ぎバットマンに復讐する理由が最後までよくわからなかった。
愛する人よりも街の崩壊を望むのか。
タリアはベインは恩人てだけで愛してたわけではなかったんかな。なんかそれはそれで行動に結び付かないし、チープっていうか。うーん。
ヴィラン側の行動原理についていけなさすぎて、もはやジョーカーみたいに理不尽な純粋悪のほうが理解できないものとして割りきれるし、わかりやすかった気がする。
ダークナイトではジョーカーとバットマンの相反する人間の狂気や善悪に対する問いかけに考えさせられる余韻があったけど、本作のベインやタリアはそんな観客への問いかけもなかったのが一番残念でした。
ベインのマスク設定ももっと物語に作用するかと思いきや、最後ちょっと苦しんで終わりなのもあっけない。
せっかくのトム・ハーディの演技も、マスクであまり見えないのが残念でした。

さらに、作中ずっとトーンが一定というか、盛り上がりに欠けるのにひたすら長いからなかなかきつかった。。。
ブルースが脱出するまでの訓練とか葛藤も地味に長くて、主人公がずっと蚊帳の外なのも退屈だったかな。
正直なところ、三作通してブルースがあまり好きにはなれなかった。
ずっとうじうじしてるし、傲慢だし、序盤ではアルフレッドが私のモヤモヤした感情を全部言ってくれたけど、聞く耳もたず途中退場させちゃうし。
彼は"持てる者"の責務を果たさず、正体を隠して暴力で悪を制御している。
それが悪いとかではないし、ブルースのやり方なのかもしれないが、そんなバットマンが最後ヒーローのように扱われていることが個人的にすっきりしなかったです。

あと、核融合炉を一事業というか一個人が極秘で作っているとか、武器庫を保有してるとか、彼がやってることも金に物言わせた犯罪なのでは。
これが一番びっくりした。ブルースが一番ヤバいやろ。

アン・ハサウェイは美しすぎて、彼女がいてくれて画面が華やかになるのは良かった!

振り返ってみると、やっぱりダークナイトは傑作と言われるだけあるなと。
ダークナイトが純粋に一番ハラハラドキドキしたし、楽しく見れました!
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