しりたん

ダークナイト ライジングのしりたんのレビュー・感想・評価

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
4.0
原題:THE DARK KNIGHT RISES

クリストファー・ノーランが再スタートさせたバットマン1作目『バットマン ビギンズ』。その続編の2作目が『ダークナイト』。で、今作が3作目にあたる続編の『ダークナイト・ライジング』。結論からいきます。
前作の『ダークナイト』は越せなかった・・・。
だからと言って駄作になったわけでは無いので御安心を。

今作は完全続編なので最低でも『ダークナイト』を観ておかないと分からなくなる。(一番は前の2作とも観てからがベスト)ゴードン警部が、今は亡きハービーのスピーチをしている所から始まる。
始まりから重い雰囲気。ここから見入っていました。

ストーリーがバットマン引退して数年経っていて、篭り生活をしている為に足腰弱くなってしまい、杖をついていないと動けなかったりと弱っている。
復帰後もベイン戦でダウンさせられ治療を余儀なくされ、
この間に “強さとはなんぞや?”っと勉強するので、酷い言い方するとバットマン業 再開リハビリが中盤までどっかり居座っている。
その合間にベインがゴッサムシティを荒らし、街中で中性子爆弾を爆発させようと企む。ゴードンや今回初登場の熱血警官ジョン・ブレイクなどが最後の あがき で爆破を止めようとするのが終盤。
冒頭と中盤では『ダークナイト』の方の“おてもやん”、レイチェルの写真が出てくる。レイチェルの死にも重みを感じているブルースだが、レイチェルは写真だけなので印象は薄い。
おてもやん死亡よりもハービーがトゥー・フェイスに変貌してしまい、善と悪がひっくり返ってしまった重みにブルース・ウェインはやられているとしか残らない。

前2作は何とも思わなかったが、この映画自体、流血シーンがない。
今作はベイン率いる犯罪者軍団と警察軍団がドンパチ繰り広げるが、全く血が出ないのに違和感を感じた。
やる気なしかと思っていたフォーリー副本部長 最期のシーンも血が流れていたら、もっと重みができて焼きつくような気がする。
前作に比べてアクションは減っているし、小道具も使ってくれない。まあ、前作でコスチューム、武器など全て抹消した事になっているからと言われればそれまでですが・・・。


とあるシーンでバットマンがゴードンに言うセリフ。
「ヒーローはどこにでもいる。それは上着を少年にかけ、
世界の終わりではない。 と励ますような男だ」
これには目頭が熱くなりました。そしてカッコイイ( ¬`)ジュルリ
また、アルフレッドが長年ウェイン邸に仕えてきて、ブルースも亡き人になってしまうのではなかろうか?っと 思い、バットマン復帰するのを説得するシーンと、墓石前で泣きながら語りかけるシーンも目頭が熱くなりました。

今作でバットマンは完結するためか、『~ビギンズ』で登場したリーアム・ニーソン演じるヘンリー・デュカードもちょこっと登場。
1作目を見ていると“なにぃ~?!”な気持ちになる。
これまた前作で気持ち登場していたキリアン・マーフィー演じるスケアクロウも登場。なんちゃって裁判官で登場し、今回セリフもあるが出番はあまりない。しかし印象強かった。
今作で初登場したアン・ハサウェイ演じるキャットウーマン。
本編中の格好を見るまでダサくなっていないか不安だったが、
シックリきていて良かった!『バットマン リターンズ』 、
スピンオフしたハル・ベリー版『キャットウーマン』みたいなネコを思いっきりイメージした顔半分マスクとボンテージ衣装にしなかったのが良かったですね。
ゴーグル装着しないときに見られるゴーグルのフレーム(?)部分がネコの耳みたく見える。このさり気なさが良かった。

モーガン・フリーマン演じるフォックスは前回から出番は
あまり無かったが、存在感があった。
今回、アルフレッドよりも出てくる回数多いと思いますが、
お歳のせいか?魅力がややなくなったかな?
しかしモーガン・フリーマンは出演しているだけ味が出るので良いな・・・。
ベイン役のトム・ハーディですが・・・本編見終わってから、
『インセプション』に出ていたトム・ハーディだと気づいた。
あの ちょい悪オヤジっぽい雰囲気は一体どこへw
面影が全く無いのにおどろき。

ヒース・レジャーの遺作でもあり、傑作となった『ダークナイト』を超えた感じは取れなかった私ですが、ここまでキャストがピッタリと、しっくりと合っている作品は、そう簡単にはない!これだけで観る価値はある。
それと、意外な展開に “うぉ?!”っとなる。
完全続編として作られているのは仕方ないかもしれないが、
ぜひ『~ビギンズ』から順を追って観てもらいたい。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるジョン・ブレイクの本名が明かされるシーンがある。
バットマンを知っている方なら名前にピンとくるはず。
これはもしかすると・・・。
しりたん

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