この終わり方はズルすぎる。それくらい胸が熱くなる。バットマンを知っていればいるほどに面白い。何回観てもそう思う。
状況を作り出し、そこに葛藤を描くシーンが今作も何度かある。特徴的なのはブレイクが橋を渡ろうとする場面。前作のジョーカーの企みを彷彿するかのように、正義を問われる。
正義のはずが悪となり、悪の底には深い愛情が隠されている今作は、皮肉に満ちている。誰が正しいかではなく、何が正しいかという視点で観ざるを得ない。
そして、時間に追われる構造を作り出すからこそ、見る方も手に汗握る。あくまでエンターテイメント作品。三作品の集大成として、意味のある繋がりをきちんと持たせたところも見どころ。
現実世界にバットマンを引き込み、あのコスプレの違和感を感じさせないよう、実写にこだわり、3次元に馴染ませた手腕は流石。冒頭の飛行機のシーンが実写というからおったまげる。