ちろる

たみおのしあわせのちろるのレビュー・感想・評価

たみおのしあわせ(2007年製作の映画)
3.3
子離れできない父親と、恋愛できず、お見合いを断り続けてる息子のぶっとび結婚狂想曲。
麻生久美子さんとオダギリジョーさんのゴールインシーン?って「時効警察」好きを興奮させる組み合わせ、小ネタもしかり若松了さんが遊びまくってます。
ユニークなのが物語の前半、中盤、そしてラストとその色合いが次々と変化していくところ。
はじめはゆる〜いほのぼの系→オダギリジョーはもちろんのこと、とにかく息子大好きな原田芳雄氏が可愛い。
可愛すぎて、もうこのままでいいからずっと観ていたいと思えるくらいなのだけど、中盤はおかしなカメラワークが加わり、サスペンス的な風合い。
小林薫さん&大竹しのぶさんの存在は面白おかしく、もちろんデフォルメして描かれていますが、(実はいるよねーこういうタイプの女)と、ある意味リアリティ感じました。
そしてラストは・・・唖然。
まさかこんな結末になろうととは!

麻生久美子さん演じる瞳さんの視点で見ていたので、観た瞬間なんだよそれ、、と呆気に取られてひどい映画だなーと憤りすら感じるのですが、2、3日経って思い返してみると、そのタイトルの意味を考えて妙に腑に落ちてしまうのです。
たみおはとーさんが好きで、とーさんもたみおが大好き。
要するに自分だけが幸せになるなんて幸せではないという事なのでしょうか?
やべぇ家族の物語ですが、もうどうしようもないのでしょう。
ハッピーエンドでも、バッドエンドでもない、なんとも表現し難い後味。
このたみおたちに共感できる人なんて多分この世に一握りもいないでしょうからこの評価なのかもしれませんが、原田芳雄さんはやっぱ良いです^_^
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