KnightsofOdessa

ゴダールのマリアのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ゴダールのマリア(1984年製作の映画)
4.0
[処女懐胎の解体] 80点

精神が先か肉体が先か、セックスが先か妊娠が先か、という問答と映像としての圧倒的事実が正面衝突する奇妙な映画。ミリアム・ルーセルの目が印象的で、アナマリア・ヴァルトロメイと『あのこと』を思い出した。テーマも妊娠の受容も何もかもが正反対だが、女優の存在感とカメラの親密さだけで映画はここまで似るのか。というか、人間を正面から撮ってるだけなのにこんなにキマるのか、みたいなショットだらけ。途中から出てこなくなるけどイモっぽいジュリエット・ビノシュまで最高の一作。恐る恐る口紅を塗って、真っ暗な口の中を覗こうをするラストが意味分からんパワーを持ってる。雪の降るガソリンスタンドは『シェルブールの雨傘』かな?
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