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ゴダールのマリア
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目次

『ゴダールのマリア』に投稿された感想・評価

ちろる

ちろるの感想・評価

3.6
正直言うと後半の展開が少し退屈。
ゴダールにしては分かりやすいストーリー展開だとは思うのだけど、モヤモヤ感で終わってそんな感じでもいいのかな?これ。

音楽の突然切る演出もこの作品に関して言えばあまり好きではない。
だだ、マリー役のミリアム ルーセルがとても美しかったのと、第1部のマリーの少女時代の躍動感のあるダンスシーンや詩を朗読するシーンなどがとても印象的だったので、観心地は決して悪くないから評価しづらい作品でもある。

「マリア様の処女懐胎について。」
中学生くらいの時、教会で聖書の話が当たり前の史実ように伝えられる度に、やっぱりどうしてもヨセフの事めっちゃ気になってはいたのよ。私。

イエスキリストの育ての親として神から選ばれたとしても愛する妻から真顔で「妊娠したの、神の子よ。今日天使ガブリエルがそう教えてくれたわ。」
って言われたら、おいこいつ大丈夫か?ってなるのが男だと思う。
そこんとこに関しては、こちらのガブリエルが強引すぎるというユニークさもありつつこの「ゴダールのマリア」はジョセフの戸惑いの部分も割とじっくりと新解釈してイロニックに表現してくれたと思う。

女性の性器は聖なる城への入口、お腹は宮殿の如しと言わんばかりにマリーの性器とお腹を色んな角度から映すシーンが後半多く登場するのだけど、聖なる存在と崇めているようで、ほんとはゴダールのすけべ心といやらしさが見え隠れしていたのはちょっとだけ気にくわないかった。

私も結局学校の授業で聖書読んだだけで無宗教だし、キリスト教色の少ない日本人にとってはわけわかんないとこもあるだろうし、逆に超カトリックのクリスチャンにとってはけしからん!って人もいるだろうから観る人を非常に選ぶ。
いっそ内容よりも美しい女性の裸体とゴダールならではの実験的な映像を観ることを目的として楽しむのが良いのかもしれない。
さとう

さとうの感想・評価

3.6
聖母マリアが現代に生きていたら、こんな苦悩を味わうことになっていた?
ゴダールによるキリスト誕生伝説の大胆な焼き直し。

挑戦的ではない。
バスケット部の女子高生が主人公という時点で庶民的だし、恋人とのぎこちない関係性や、なにより処女にも関わらず妊娠してしまったことへの戸惑いや不安が丁寧に描かれていて親しみやすい。宗教的観念は最小限に抑えられているし、これは世界中の人が楽しめる大衆ドラマです。

マリーの恋人による苦悩も、男としては見逃せない。ストレートに世俗的で共感度が高い。ミリアム・ルーセルの美しさに、愛情と疑惑で悶々としてしまう気持ちがよく分かる。

生まれてしまってからの後日談は、少し気味が悪いですね。それまで爽やかな青春物語だったのに、急に現実的で生々しい。ここに来ていつものゴダールが戻ってきた感じです。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【受胎告知】

※ 「追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭」の鑑賞した順にレビューを書くつもり。

①「マリアの本」はミエヴィルの監督作品。子供は両親のことをつぶさに観察していて、よく理解しているということなんだと思う。隠れてこそこそしていても、子供は知っているのだ。そして、(今時、そんなことを言うと世間的な視線は厳しそうな気もするが)子供は大人が過度にかまってあげなくても、生きていけるのだ。

②ゴダールが監督した「こんにちは、マリア」は、カトリック絵画で頻繁にテーマとして取り上げられる受胎告知について知っている方が面白い気がする。

受託告知は、天使ガブリエルが、マリアに神の子を身ごもったと伝える場面のことだ。これをテーマにした有名な絵画はいくつかあるのだけれども、ルネッサンス期のテーマ表現として重要とされるものでよく取り上げられるのが、フィレンツェにあるサンマルコ(旧修道院)美術館、フラアンジェリコ作「受胎告知」だ。このテーマは、一義的には、ヴァージンであるはずのマリアが母親でもあるという矛盾を一人の女性の中に表現したということで語られがちだ。ただ、このフラアンジェリコのマリアは明らかに戸惑っているように見えるのだ。僕からしたら、喜んでいるようには見えない。小さい絵だしフレスコ画なので、当時、そんなことを言う人はいなかったと思うが、僕はそんな風に感じる。

この映画のマリーも明らかにそうだ。だって、人間だもの。

それに、現代社会にあって、性交しないで身ごもるなんてことがあったら、きっと科学的検証の対象になるし、生まれた子供のことを救世主だと信じる人が世の中にどの程度いるだろうか。

戦争もテロも差別も迫害もまだまだあるのに、まだカトリック信者でさえも救済されていないのだ。
そこに新たな救世主??なんてあるはずもない。

むちゃくちゃ皮肉たっぷりだ。そんなだから、この作品はローマ・カトリックから批判されたのだ。

ゴダールはきっとほくそ笑んでいたに違いない。ゴダールの勝ちだ。それに、きっと、フラアンジェリコだって、批判されても良かったのになんて思っていたんじゃないだろうかなん余計なことまで考えてしまう。

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