ぼびっと

プライマーのぼびっとのレビュー・感想・評価

プライマー(2004年製作の映画)
3.9
公式でも明確な「正確」を提示してくれていない、非常に難解なタイムトラベルものです。
映画の中できちんと教えてしかるべき情報が抜けているか、あっても一瞬の開示だったり、曖昧なものとして提示される為に、序盤ののらりくらりな開発場面にすっかり緊張感を緩めていた場合は危険です。細かな点に気を付けたとしても、メモでもとって後でじっくり整理してみないと基本的なタイムトラベルの仕組みや、起こりうる危険性、法則もつかみにくいので、3回くらい観て、ああ、大体なんとなくこんな感じだったのかな~…と、漸くわかってくるという難解さです。観客にわからせる気がないにしても、従来のSF映画では、観客に解りにくさを起こさせる危険性があるのであえて小出しに絞っていた面を、逆に押し出している作品だという印象が強かったです。自分にとってのもう一人の自分(ダブル)という存在に纏わる問題と、主人公たちがお互い何回タイムトラベルを経験し、映画のこの場面では一回目だと思っていても、実は陰で…?といった、疑念や憶測が埋まられるのは難しい反面面白かった!
一回の観賞ですっきりが得られる映画ではないので、ああでもないこうでもないと、観た人同士で語り合ったり何度か見直して楽しむ映画ですね。
これから観賞される方は、
①箱の仕組みの把握
②イヤホンの意味
③ロバートのパーティ
あたりに注目して観るといいかと思います。