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プライマーのバロウズのレビュー・感想・評価

プライマー(2004年製作の映画)
3.6
タイムパラドックス映画は数あれど、この映画ほど複雑難解なものは存在しないんじゃないだろうか。

まず冒頭の登場人物の会話からして難しすぎて「なにやら理系なことを議論してるなあ…」とぼんやりしていると確実に置いていかれる。
足りない頭で何とか話についていこうとするも、タイムマシンの様々なルールや制約を理解するので精一杯。
要するに棺みたいな箱に6時間入ると6時間前の過去に戻ることができる。入った分だけ過去に戻ることができるという事らしい。
主人公たちは頭がいいので矛盾が生じないように(例えばタイムマシンに入る約6時間前には誰にも姿を見られないようにする等)行動する。初めのうちは上手くいき株で儲けたりするのだが、次第にズレが生じていきやがて予測できない事態に。

この映画の難解な所は、つまり主人公がタイムマシンを起動させることで自分自身のダブル(分身)が存在してしまうという点。
一体今カメラに写っているのはオリジナルなのか?それともダブルなのか?
ヒントとなる要素は断片的にはあるものの全ては語られないので想像に任せるしかない。
よほど頭の良い人ではないと何回見ても理解できないだろうなと。自分は2、3回ぐらい繰り返し見て解説サイトを読んでだいたい4割ぐらいは理解できたかなとかそんなレベルです。
何度も見たくなる、中毒性のある映画であるのは間違いないんですが、一度に入ってくる情報量が半端じゃないので疲れます。

監督、脚本、主演を務めたシェーンカルースは元ソフトウェアエンジニアらしく、天才なのは間違いないんだろうけど映画としての作りは拙い所もあるようで、無駄な場面を削ってもっとわかりやすく出来たのでは?と僻みっぽい事を言ってみたり。
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