もとまち

ネイルズのもとまちのレビュー・感想・評価

ネイルズ(1992年製作の映画)
3.7
ジョン・フリンの娯楽映画職人としての手捌きが存分に味わえる一作。決して傑作とは言えないが、抑えるべきツボはきっちり抑え、ちゃんと無駄なく面白い作品に仕上げてくるあたり流石である。序盤から派手なカーチェイスや銃撃戦をテンポよく盛り込み、無駄なダレ場をほとんど作らない。デニス・ホッパーも終始デニス・ホッパーしていて最高。大切な相棒を殺されたその足で嫁の家へと乗り込み、セックスで悲しみを発散しようとする刑事の役なんてこの男くらいしか似合わないだろう。シャワー中に銃撃されて、フルチンで反撃に出る所もイカしてたな。『狙撃者』のマイケル・ケインも似たようなことをやってた。周囲からキチガイ扱いされつつも何だかんだ愛されている感じなのがすごく和む。腐れ縁じみた関係の嫁さんは少し可哀想だったが...。ジョン・フリンといえば「男と男」のドラマだが、本作でもデニス・ホッパーと後任の相棒の関係性がエエ感じ。相棒の方は定年間近という設定で、ホッパー刑事の荒っぽい行動を最初は嫌がるのだが、いざ銃撃戦が始まるとめっちゃウキウキしながら銃をぶっ放していて超愉快だった。大食いだから張り込み中もピザをムシャムシャ食べているのがかわいい。いちばんの巨悪を最後の最後で取り逃がして、「俺たちの戦いはこれからだ...けどとりあえず今は嫁とイチャイチャしよう」てな感じで終わるラストには脱力。TVシリーズ化の予定でもあったのか? あと明らかにガンマイク映り込んでるシーンが2回くらいあったけど見逃さないぞ俺は!
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