Azuという名のブシェミ夫人

輝ける女たちのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

輝ける女たち(2006年製作の映画)
4.0
ニースの街かどにあるキャバレー“青いオウム”。
オーナーのガブリエルが帰らぬ人となる。
ガブリエルの息子同然であった“あの人は今”な元有名マジシャンのニッキー、ニッキーの別れた女達、それぞれの腹違いである兄妹は、“父”であり“おじいちゃん”であったガブリエルの葬儀の為集結する。
仲違いしあってバラバラとなっていたニッキーを介しての“家族”たち。
彼らに残されたガブリエルの遺言とは・・・。

すんごくフランス映画らしいフランス映画。
出てくる人出てくる人皆めちゃくちゃフランス人。
バラバラだった家族が一堂に会して大団円てな話はいくらでもあるのだけれど、この人達が個性的でそれぞれに葛藤や秘密を抱えていて、自分を建前や嘘でふわりと包んで保身しているから、なかなかそうも上手く行かない。
うん、そう。秘密や嘘で“武装”はしてないの。
あくまでもみんなふんわりしてるの、そこがフランス人ぽいね。
上手く行くかなーと思いきやすったもんだして、でも共通することはみんなガブリエルを心から愛していたということ。
同じ人間を愛していた人々だもの。てんでバラバラに見えたって本質は似たもの同士だから苛立つのかもしれないね。

キャバレー“青いオウム”でのショー、煌びやかで女性達がとっても美しい。
おっぱいを惜しげも無く出して踊るショーガールたちの身体が綺麗で見惚れます。
性的に興奮するという意味では無いけれど、美しい女性を見るのは凄く好き。
こういう女性って結構いると思うので、そんなお仲間にはキャバレーシーンはオススメです♡←
もっとショーのシーン観たかったなぁ。

エマニュエル・ベアール、そして後半ある女性が歌うシーンは女優さん達本人の生歌だそうで、とーっても素敵です。
カトリーヌ・ドヌーヴ、ミュウ=ミュウ、エマニュエル・ベアール、ジェラルディーヌ・ペラスと女優陣がそれぞれに魅力的で、フランス女性ってどうして着飾ってもナチュラルでもあんなに様になるんだろう。
私もいつか赤いルージュが似合う女になりたい。
ヴァレリー・ルメルシェやクレール・モーリエも名脇役さん達で好きだし、ニッキーのゲイの息子役ミカエル・コーエンも男前♡やけ食い可愛い♡

タイトルが『輝ける女たち』だから女性陣が印象的だけれど、真の主役はニッキーだね。
自分が通ってきたと思っていた人生は何だったのか。
真っ暗闇に投げ出されたような気持ちだよね。
でも、ほら花火は真っ暗闇の中だからこそ美しく華々しく輝いていたでしょう?
人生の煌めきも案外暗闇の中に居る時に見つかるのかもしれないね。
『サメは泳がないと死ぬ』
Show Must Go On!立ち止まってる暇は無い。