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脳内ニューヨークのcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
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孤独を抱えている人間はずっと孤独なままだ。人生の幕を閉じるその瞬間まで孤独と付き合わなきゃいけないんだろう。パートナーが変わっても、帰る家が変わっても、セックスをしてみても、何も変わらない。どうして何かに、誰かに、変化を、新しい何かを、きっかけを、いつでもひっそりと期待してしまうんだろう。人生の主役はいつだって自分なのにね。自分自身で自分を生きるしかないのに、孤独と向き合うしかないのに、そう、分かっているはずなのに、苦しいのはどうしてなんだろう。自己を投影させた舞台を作ろうとしても、方向性はいつしか変わっていくし、そこを去っていくひともいる。気付けば変わり果てた姿になったそこは、いつまで経っても未完成のまま。人生そのものみたい。見えないゴールに向かって、何者でもないちっぽけな自分が、ちっぽけな人生を生きるしかないんだ。ああやっぱり悲しくて優しいから大好きだ。
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