たか

ヒマラヤ 運命の山のたかのレビュー・感想・評価

ヒマラヤ 運命の山(2009年製作の映画)
4.0
 高校時代、山岳部の同志にラインホルト・メスナー信仰者がいた事を思い出しました。彼のデータ的な凄さは知っていましたが、人間的なものは全く知りませんでした。昔、彼の自伝を買ったのですが、分厚くて読んでない事の暴露です!この映画を縁に読み始める事にしました。
 メスナーさんをイメージした時、追いかけて来た弟のギュンターさんとルパール壁アタックを決意する判断は、とても意外に思えました。人間的なものか、究極な状況での判断ミスなのかはわかりません。
 そんな責任問題やら色々あると思いますが、その後の彼の偉業は、この1970年のナンガ・パルバットのルパール壁での出来事があったからだと思います。ここで何か吹っ切れたと言うか、命や人生に対する価値観が変わったのだと思います。
 映画ではヒマラヤをはじめとする山々の絶景が随所に出てきます。劇場で観ても圧倒されるばかりですが、それは実際に目の当たりにするレベルに比べたら、1%にも満たないのだろうなと思います。
 どこかで山岳地帯での究極体験を望んでいる自分がいるのは確かですね。本能と言うか少し山をかじった精と言うか、少なくとも人間って、一見、楽を望んでいそうに見えても、実は苦を望んでいるのだと思います。それは命を輝かせたい本能でしょうかね。
 弟のギュンターさんの遺体、21世紀になってから見つかっていたんですね。
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