シンタロー

帰らざる河のシンタローのレビュー・感想・評価

帰らざる河(1954年製作の映画)
3.5
オットー・プレミンジャー監督×ロバート・ミッチャム&マリリン・モンロー主演。
ゴールドラッシュの頃、ならず者が集まるアメリカ北西部のテント街。男やもめのマット・コールダーは、ある事情で離れ離れになっていた9歳の息子マークを探していた。酒場の歌手ケイの世話になっていたマークを引き取り、河辺のインディアンの土地に小屋を建て、新たな生活を始めるマット。一方ケイは、金鉱の権利を手に入れた婚約者のハリーとカウンシルシティに向かうが、激流"帰らざる河"で漂流してしまう。2人を助けたマットは、この激流を筏で下るのは危険だと忠告するが、ハリーは馬と拳銃を奪い、1人でカウンシルシティへ向かってしまう…。
36歳で早逝するマリリン・モンロー。幼い頃日曜洋画劇場とかでいろいろ観ましたけど、セクシーすぎる容姿とキュートな身のこなし、ハスキーな歌声は強烈なインパクトで、海外女優でムラムラきた初めてのお方だったかも。下積み期の助演作が多く、数少ない主演作の本作はお気に入りでしたけど、大人になってからノーカット観ると、意外と粗が多くツッコミどころ満載。顔も認識出来なくなるほどの間、放ったらかしにしていた父子関係…9歳にもなれば修復はこんな容易くないはず?インディアンの描写は完全アウト。そもそもマットが土地奪ったんだから、しつこく狙われて当然なのに悪者扱い?時代上仕方ないかもしれないけど、激流シーンのお粗末な合成にはポカーン…ドリフじゃないんだから。謎のレイプ未遂?せっかくイイ感じになりそうだったのに、このシーンすごく浮いてて、そこからのジャガー?格闘技?の流れ…奇抜過ぎる。ラスト悪くはないのだが、モンローに歌わせるために取って付けたような感じが…名曲"The river of no return"が素晴らしいから良しなのかな。
個人的には、モンローがマークに弾き語りする"Dawn in the meadow"の優しい歌唱が好きです。酒場のセクシー衣装もいいけど、野生的なジーンズ姿のギャップがまたイイ。激流の中、インディアンに服裂かれるモンローも隠れた名シーン。全裸に毛布のモンローをマッサージするミッチャムも羨ましすぎ。兎にも角にもモンローの魅力で加点しました。ロバート・ミッチャムは、眠そうな眼差し、長身の逞しい体格で、この時代のマッチョなタフガイを体現した方。好きな役者ですけど、正直この役の芝居は上手くないと思うし、モンローとの相性もイマイチかなと思います。マーク役の子役はとても可愛らしく癒やされました。
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