たく

君恋しのたくのレビュー・感想・評価

君恋し(1962年製作の映画)
3.5
清水まゆみ目当てで鑑賞。障害に阻まれる男女の純愛を描いたメロドラマの中編で、清水まゆみの翳りのある表情を堪能できたのが良かった。フランク永井が主題歌を引っ提げた街の流しとしてたびたび登場するんだけど、歌が抜群に上手いのはもちろんのこと、セリフ回しが自然なのにちょっと驚く。

大企業に勤める裕之が許嫁の存在を明かさぬまま入院先の病院で看護婦の明美と恋仲になるんだけど、彼の婚約の経緯に自殺した父の事情が絡んでるとはいえ、なんだか煮え切らない態度にイライラさせられる。裕之を追って東京に出てきた明美が勤め先のバーで紳士然とした常連客に結婚を迫られたり、裕之の婚約者とのギクシャクした関係からの悲劇的な展開など、1時間ちょっとの作品にしてはなかなか盛りだくさんな内容だった。

森永健次郎監督は、吉永小百合の「潮騒」「若草物語」「美しい暦」「風車のある街」を観てたね。
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