ルトガー・ハウアー
『ヒッチャー』を観た時、こんなにも恐ろしい男は他にはいない。そう思ったものです。しかし、このルトガー・ハウアーは違いました。くたびれたスーツ、しわしわのネクタイ、そしてまさにその足取り。もうね、ただの酔っぱらいにしか見えない。まるで別人。この演じ分け、ルトガー・ハウアーってすごくね?
『聖なる酔っぱらいの伝説』
なんとも不思議な映画だ
飲めば飲むほど奇跡が起こる
だんだんと身だしなみが改善する
ゆっくりと過去が紐解かれていく
しかし…
いい飲みっぷりだ
先日観た『港々に女あり』ヴィクター・マクラグレンのビールの飲みっぷりは、ここ最近観た映画の中でもとりわけ素晴らしかったけれど、この作品のルトガー・ハウアーの赤ワインの飲みっぷりもまた実に素晴らしい。なんとも旨そうに飲む。
ネクタイは!?
小綺麗になるスピードが極めてゆっくりなので、なんだかやきもきします。ネクタイとシャツ早く!
この映画、とにかくアフレコが気になって気になって仕方がない。アリーベデルチって言ったかと思えばシルブプレって聞こえてくる。舞台はフランスなのにイタリア語で話すし、口とセリフが合ってない。
間が独特なんですよね
何か起こりそうで起こらない。と見せかけて奇跡が起こる。夢かうつつか幻か、はたまたこれは回想なのか?いちいち戸惑ってしまう。ルトガー・ハウアーが飄々としながら不思議。この雰囲気、まるでファンタジーの世界。
おいっ!!!と思わず声に出てしまった。なんとも言えないあのラストは賛否両論ありそう。独創的で私は好きです。