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聖なる酔っぱらいの伝説のcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

聖なる酔っぱらいの伝説(1988年製作の映画)
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200フランから始まる奇跡の物語。


ホームレスの男に突然舞い込んだ幸運のチケットは、きっと神様からの最後の誕生日プレゼントだったんだろうな、この200フランも、それを手にする偶然さえも。橋の下で新聞紙に丸まり寒さをしのいできた男にやってきた、不思議な奇跡の連続。カフェでワインを呑み、床屋に行き、タクシーに乗り、ホテルに泊まり泡風呂に入り、綺麗な女性と夜を過ごし、旧友や愛したひとに会い、清潔なスーツに腕を通す、、どれもこれもが彼の日常の中の非日常だ。なんだかおとぎ話みたい。


人生には物語がつきものだなあと静かに思う。止まったままの時計を大切にしている訳も、なぜ橋の下に流れついたのかも、あのひとの顔が忘れられずにいることも。
最後の数日間、彼はまるで夢の中にいるかのような気分だったんだろうなあ。

静かであたたかい眼差しの向けられている作品。赤ワインを水のように呑む姿につられて、お酒がおいしく呑めました、、
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