イチロヲ

女性上位時代のイチロヲのレビュー・感想・評価

女性上位時代(1968年製作の映画)
4.0
亡き夫が異常性愛者だったことを知らされた未亡人(カトリーヌ・スパーク)が、夫が秘密裏に利用していた部屋を自分のものにしようとする。非日常的な世界に没落していく未亡人の姿を追っている、エロティック・ドラマ。

愛のないセックスを強要されていた未亡人が、「性愛の在り方」をあらためて知らされたことにより、性の探究者へと変貌していく。日常生活で初対面の人に出会うと、その人の裏の顔(=夜の顔)をすぐに勘繰ってしまい、頭の中に妄執を膨らませる。

新しい刺激に満たされるということは、それだけ視野が広がるということ。それはすなわち、日常から見えなかった世界が見えるようになるということ。本作の主人公は、周囲の男たちを意のままに操ることができるようになるまで、潜在能力を高めていく。

カトリーヌ・スパークのコスチューム・プレイとアルマンド・トロヴァヨーリによる優雅な音楽が魅力的。「家母長制」というような意味合いの原題を、「女性上位時代」に言い換えている邦題が素晴らしい。
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