ももみ歌と映画とアート

クレイジーズのももみ歌と映画とアートのレビュー・感想・評価

クレイジーズ(2010年製作の映画)
3.5
謎のウィルスにより突如人々が狂い初め日常が破壊されていくというありふれた題材ですが、全編がわざとらしくない緊張感に満ちていてかなり面白かったです。一般的な評価も高い模様。個人的には同じ題材ではダニー・ボイル監督の『28日後...』が最高と思っていますがそれに次ぐくらいと思います。

ウィルスにが発症してもすぐに人としての感情を失わないケースがあるのが新しいような。不安や絶望、恐怖の中でも辛うじて保たれる友情が大げさでなく細やかに描かれているのが良いです。

主演のラダ・ミッチェルはクールでパニックものはお得意だし、ティモシー・オリファントもクールで見覚えがあると思ったら、『ヒットマン』のエージェント47だったと知り納得でした。

それから印象的だったのは、冒頭でドライブ中の人物がWe'll Meet Again(また会いましょう)を低い声で口ずさむシーン。これは悲惨なラストシーンを示唆している(キューブリック監督の『博士の異常な愛情』へのオマージュ)ではないかと思いました。これもまた粋です。