みかん

荒野の七人のみかんのネタバレレビュー・内容・結末

荒野の七人(1960年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

黒澤明監督作『七人の侍』のハリウッドリメイク版。
舞台を開拓時代のメキシコに移し映画化した、西部劇の金字塔的作品。

リメイクなので、内容は『七人の侍』とほとんど同じ。
盗賊を奇襲するとこまではほぼ同じで、その後の流れがとちょっと違う。
一番違うなって思ったのが、戦いに反対する村人の裏切りにより盗賊に一度村を占拠されてしまい、七人は村から追い出されてしまうところ。
結局、七人がそれぞれ村に戻り反撃に出て戦いになるんだけど、ガンマン達が村人に協力する動機がよくわからなくなった。
『七人の侍』と違って、村人に裏切られてるわけだしな。。。
それでも村人の為なのか、男として一度守ると決めたからってことなのか。
作中でもなぜ村を守る?って問われるけど、クリスは答えない。
明確な理由は必要ないっていうことなんかな?
行く宛のない彼らは、本当の意味で生きる場所、死に場所を探して戻ってきたってことなのか。。。

彼らは村を救った英雄ではあるけど、“ならず者”なガンマン達には戦いに勝っても何も残らない。
「将来性もなく、根を下ろす土地もなく、待っててくれる親しい友人もいない」ってクリス達の台詞が、『七人の侍』の侍時代の終わりを感じさせるラストと重なります。
ただ、『七人の侍』では農民や百姓と一緒に戦い、一見弱く見える農民達こそがしたたかに逞しく生きていることと、勝っても侍には何も残らないラストが切なかったけど、本作では村人が一度裏切るし、ラストの戦いにもなぁなぁで参戦してるから、最後に勝ったのは村人だって言われても、ちょっと違うなぁって思ってしまいました。
恩とか、義とか、表現が難しいですが、そういう村人との信頼関係が薄いので、ラストは『七人の侍』のような哀愁漂う深みはあまり感じられなかったです。
それぞれの死に様があっさりすぎるのも、ちょっと残念でした。
やっぱり『七人の侍』と比較してしまうから仕方ない。尺も全然ちがうしな。
個人的には、『七人の侍』のほうが好きなラストでした。

役柄は、クリスは勘兵衛、ヴィンは五郎兵衛と七郎次?、オライリーは平八かな。
チコは勝四郎と菊千代が混ざった感じ。
ブリットは久蔵かな。
あとの二人は本作のオリジナル?っぽくて、このキャラクターの違いとかを比較しながら見るのも楽しかったです。

『マグニフィセント・セブン』も楽しみです!
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