喜連川風連

荒野の七人の喜連川風連のレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
2.0
七人の侍、完全リメイク。

仲間を集め、戦い、犠牲の上に勝利を重ねる。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどで幾度となく繰り返されてきたモチーフ。

加えて、黒澤版七人の侍の人間描写がいかに綿密に描かれてたかがよくわかった。

七人の侍では、仲間が集まるまで、相当に時間を要したが、案外すんなり仲間が集まる。
2時間尺なので、足早に駆け抜ける。

主人公に決して弾は当たらない安心のご都合主義だが、王道。

「男の生き様は死に様に現れる。」
こういう言葉自体、死語なのだろうか?

「農民が勝者だった」云々の虚しさは、荒野の七人では蛇足感があり原作に遠く及ばず。
思想のない黒澤ファンが作る娯楽映画だった。

何が起きても安心の、展開が一辺倒な王道が苦手なんだと最近思う。
やっぱり仁義なき戦いのほうが人間味が有って好きだ。

現実の人間はここで描かれてるように美しくはない。
だが、それが美しいのだ。
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