EugeneHashimoto

野のユリのEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

野のユリ(1963年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いい話なんだろうけども《ゲットアウト》とかの洗礼を受けた(洗礼を受けた!)目には不穏に映るシーンがけっこうあって、なんか、心がザワザワする。有色人種が一人で白人集団に囲まれるときの緊張感の描かれなさにかえって緊張させられるというか……。

楽しく観たし、よく笑ったし、シドニー・ポワチエはめちゃかっこいいし、単純に人情噺としてホロリとさせられもする、よい映画とされている所以はわかるのだけど、神をダシにして白人が黒人に仕事を言いつけてしかも対価を出し渋る、みたいな描写は、やっぱりちょっと、喉につかえるかんじがする。

人種や宗派を越えた調和みたいなのが作品の基調をなしているのは了解できるのだけれども、「あ、この映画きほん白人のため作っとんな」と感じる箇所がけっこうある、というか全編通してうっすらそういうトーンがずっと被さってるので、主題に反してわれら有色人種はケンカ腰にならざるをえない(《グレイテスト・ショーマン》を観たときに似たようなムカつきを覚えた記憶がある)。

そういえば《天使にラブソングを》もかなり近しいつくりな気がした。参照されてるんかな
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