【絆がテーマのコメディーサスペンス】
前知識なしで鑑賞してしまったので後から色々な情報を知って驚きました。
何と1944年の作品ですって?!(wikiには1943年と記載されていました)
第二次世界大戦中に撮られたというトリビア情報だけでベッケル監督の映画への深い愛情と気合が伝わって来て胸熱なんですけど!
しかもカット繋ぎがさらさら流れる小川のせせらぎの様な、決して大胆では無いけれど繊細な水の流れみたいな綺麗なテンポ。
まじで完璧だった。
全カット構図も凄く綺麗で違和感なく観れた。
上手すぎてそれでいて自然だから目がぜんぜん疲れなかったです。凄い。
きっと監督は細部まで気を使える添削などが上手な方なのだろうなと思いました。
終盤の木登りシーンがやけに記憶に焼き付いてます。
個人的にこの時代のフランス語を耳にできた事も嬉しかったです。
やっぱり現代のサウンドとは違うなと思いました。
凄く貴重な体験だったと思います。
ストーリーはドタバタコメディ調のサスペンスでした。
登場人物の癖が強いので見分けがつきやすくてそういう所も助かります。
嫌な奴って思ってたトンカンさんが実は良い人だったり、普段は好き勝手に言い散らかしてる一族がピンチを迎えると一致団結してお互いを庇い合うという。
ここぞという場面で絆を見せ付けてくる映画でした。
でもよく考えたらこの方たち近親婚を繰り返してますよね?
綺麗なカメラワークに気を取られてましたが設定も普通にぶっ飛んでました。
が、繰り返しになりますが個人的にはストーリーよりも撮影技術の高さを推したい作品でございます。