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グリーン・デスティニーのhasseのレビュー・感想・評価

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
2.9
演出3
演技3
脚本2
撮影4
音楽3
照明3
インプレッション2

印象深いのは2点。

時折挿入される、雄大な自然風景のロングショットが圧巻。一ミリの狂いもないと思えるほどのカメラワークで捉えられた風景に、ただただ見惚れる。
また、ワイヤーを使った剣戟アクション。市街地の追いかけっこはやや冗長ながらも見応えあり。個人的にはユンファvsチャン・ツィイーの竹藪の一戦がユニークと感じた。

だが、ストーリーは単調で凡庸だ。チャン・ツィイーが前面に出てきて以降は、なかなか厳しいものがある。ツィイーを中心にキャラクター同士の思惑が回り始めるのだが、それらが有機的に緊密に絡み合うことなく、順番にイベントが消費されていくだけだった。
ストーリーの構成も歪で、ツィイーとチェンの荒野ロマンスに全体120分のうち20分、実に6分の1も割く必要があったのか。ツィイーがチェンの真っ直ぐな優しさに惚れたことと、櫛のエピソードが伝わればいいだけのシーンのはずだ。

また、アクション映画として、ラスボスが盛りを過ぎたオバチャンというのも盛り上がりに欠ける。

月並みに言えば映像美とアクションだけの映画、という感想になってしまうのが勿体なかった。
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