同年代に見える家族4人で荒地に暮らす家族。そこにカラビニエ(憲兵)が来て、徴兵の手紙を受け取り、なんでも手に入ると言われて戦争に参加する。
家族の名前は、クレオパトラ、ヴィーナス、ミケランジェロ、ユリシーズ。本人たちは自分の名前が歴史上の人物からの引用であることを知らない。
中盤に殺される女性は、マヤコフスキーの『豪華な茶番』を朗読するも、あっけなく殺される。彼らは詩を信じていない。
初めて映画を観たとき、列車が向かってきて轢かれるのではないかと怯える。裸の女がスクリーンから出ると、前に乗り出してスクリーンの外を見ようとする。女が入浴してるシーンでは、スクリーンに触れて布を破いてしまう。迷惑だ。
無知の加虐性、あるいは被虐性。
驚くものばかりだ、と略奪してきたものを机に並べる。多くの人を殺し、命を賭けて得たものは、大量の絵葉書である。長々と絵葉書を一枚一枚紹介していく。約10分間。空虚さを物語っていて哀しくなった。
本作が、上映から2週間で18人にしか観られなかったのも内容の現実性を高めてるかもしれない。