このレビューはネタバレを含みます
あまりに皮肉な悲劇。
戦争はいつだってそうなんじゃないか。
一般市民は利用されるだけされて、戦いが終わったあとにようやく何も得るものはなかったことに気づく。
素人俳優の采配が効いていたようだ。
彼らの戸惑いや素直さは演技からも滲み出ていたように感じた。
綺麗な女性の写真を見せられたり、何でも手に入るという軍人の言葉を鵜呑みにする男たち。
帰ってきて何も得られなかった彼らは大声で写真の建物や動物の名前を呼びながら、写真を家族に見せる、自分たちに言い聞かせるように。
何かを得るどころか、何もかも失った身で戦争が終わったとようやく胸をなで下ろしても、社会主義が台頭する。
戦いに終わりはないのだと、我々はがっかりする。