はる

ディファイアンスのはるのレビュー・感想・評価

ディファイアンス(2008年製作の映画)
3.7
第二次世界大戦時のベラルーシであった実話ベースの物語。ナチスの迫害を逃れて森に逃げ込んだユダヤ人たちを集め、キャンプを構えた兄弟が主役でした。
終戦時、このキャンプには1200 人のユダヤ人が生き残っていたそうです。
長男のトゥビアがリーダーとなり、見張りや食料調達係など役割分担を決めて、略奪した武器でキャンプを守っていました。

この長男役がダニエル・クレイグです。彼が銃を持つと無敵、という先入観のために危機感が薄れてしまいましたが、ジェームズ・ボンドではなく旧約聖書「出エジプト記」のモーセに寄せて描かれているようです。

食糧不足で皆を飢え死にさせそうになったり、仲間割れが起こったり、捕えたナチスにリンチしたり、次々に直面する新たな問題に苦悩する指揮官の姿に見ごたえがありましたが、宗教の教えのおかげで人間らしい秩序を取り戻した、という雰囲気が感じられました。

モーセといえば外せないのが海が割れるシーン。ナチスに追われて森を抜け沼地を逃げるシーンに置き換えていました。ここは映画オリジナルの演出だそうです。

ときどき社会情勢にタイムリーな作品を放送するNHK。
「苦しむ民を率いる救世主の出現」「パレスチナ・イスラエル戦争」など、何を意図しているのか勘ぐってしまいました。
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