春とヒコーキ土岡哲朗

スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還の春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

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最大の盛り上がりで、物語を閉じながら、永遠に開く。

ジャバの宮殿が、オリジナル三部作で一番面白い。それまでの作品で、悪の科学的な基地には出向いているが、化け物たちの巣窟は未知の領域。ジャバは帝国とは無関係の悪者であるが、ジャバの前に連れ出されるドロイドたちは、ヤクザの事務所に行かされているようだ。前作のそのまんま続き、ハン・ソロの救出という求心力もあり、前のめりで観始める。ルークやレイアの戦い方に、相手を倒すために暴れる悪ガキ具合もあり楽しい。そこから、本筋である帝国との最終決戦に向かう。エンドアの「森」も加わり、景色のレパートリーが広がる。ランドたちが突撃するために、ソロとレイアがシールドを解き、中ではルークがベイダーと皇帝を倒す。その同時進行の緊張感が面白かった。

親子の対決。5で、ベイダーがルークの父だと分かる。そして、ジェダイになるには入門が遅かったルークがなんとかやれているのは、偉大なジェダイだった父の血を引いているから。倒すべき敵でもあるし、超えるべき父でもある。ベイダーを倒せたときに、ルークは試練を達成して真のジェダイになることができる、という状況が作られている。
そこでルークは、倒すだけなく、善に戻すということをやってのけた。自分も一瞬、怒り任せに戦い、暗黒面に堕ちかけていたことに気づき、ベイダーを攻撃する手を止める。戦闘力の話以上に、ここでダークサイドに堕ちないことが、彼が父を超えた証明。ここは、4が宇宙を夢見る田舎の青年の話だったことも思い出す。やはり宇宙を使いながら、平凡な若者の個人規模の話でもあるのが良い。

レイア姫の伏線回収が、ぱっとしない気はする。レイアがルークの妹で彼女もフォースの強い血筋であることが、『5』からフリがあり、今回明かされる。発覚してから何の効果があったかといえば、「自分が死んでも同じくフォースの強いレイアが皆を率いてくれる」というルークの安心材料、保険になっただけだ。出番のなかった保険というだけでは釈然としない。そんなところも納得させてくれる『エピソード7』であることを期待する。

↑はエピソード7公開前に見返したときの感想。
エピソード9で、ルークと修行していた時期があり、だからレイの指導ができる、という風につながったので納得しています。7~9の彼女を見ると、フォースが強いからと言って全員戦士になる必要はないという選択の自由も感じるし。