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ブルース・リーの神話のtakのレビュー・感想・評価

ブルース・リーの神話(1984年製作の映画)
3.5
ブルース・リーを扱ったドキュメンタリーやソックリさんを使った映画もたくさん製作された。この「ブルース・リーの神話」は、香港帰国後のブルースに深く関わっているレイモンド・チョウの手によるドキュメンタリー。それだけに、他の作品と違って事実だけが示されるし、憶測や噂を映像化してない。何よりも出てくる人々の言葉が率直で好感。

ブルースの生い立ち、子役時代の貴重な映像、人柄や私生活。「グリーンホーネット」でカトウ役を演ずる前、アメリカでのスクリーンテスト映像。「ドラゴン危機一発」や「怒りの鉄拳」のメイキング。ゴールデンハーベスト社のレイモンド・チョウだからこそ示せる映画撮影の舞台裏は興味深い。特に「死亡遊戯」製作に至るまでのエピソードが語られる場面、アクションの指導をする真顔のサモハン・キンポーを拝めることはたいへん価値がある。「死亡遊戯」本編で使われなかったカメラテストの格闘シーン。NGで見せる笑顔は、ブルースの人柄も伝わってくるようだ。

昔地上波で観た「ブルース・リー物語」はドラマ仕立て。巷で噂されていた腹上死まで一説とした上で映像化してたし、なんか怪しげなトレーニング機械が出てきてちょっと呆れた。「ブルース・リーの神話」はそんな作品とは違って、偉業を振り返り、ブルースを失った悲しみを確かめるには文句ない作品。そしてブルースが完成させたかった「死亡遊戯」を確かめたかったから、「G.O.D.死亡的遊戯」を観るべし。
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