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迷走地図の一のレビュー・感想・評価

迷走地図(1983年製作の映画)
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松本清張としては気概を持って政治批判・風刺ってことで書いた話なんだろうに、勝新を筆頭に役者陣の演技の軽いこと軽いこと。カリカチュアが過ぎるが、生き生きしていて楽しそうだし、観てるこっちもそれだけで充分楽しい。完全にふざけている伊丹サーティーンが茶番感を更に増幅させる。岩下志麻の秘密の恋文にオーバーラップする恒彦との蜜月回想シーンはホント余計で良い。志麻をベッドに招く半裸の恒彦…。そんな力の抜けたベテラン勢に対して、出色の熱演を見せるいしだあゆみも良い。勝新が記者会見の場面を演じると現実のセルフパロディ感が凄まじい。芳太郎、自由にやらせすぎ。「今の心情は雲ひとつない大宇宙」!勝新っぽすぎる名台詞であった。
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