エリオット

悪の階段のエリオットのレビュー・感想・評価

悪の階段(1965年製作の映画)
4.5
鈴木英夫監督⑧

今回同監督の作品をまとめていろいろ観たが、そのなかでも一番面白かったと思う作品。

同じ建設会社で働く4人の男 が以前建物を建築した会社の金庫破りを計画する。
主犯である岩尾(山崎務)の愛人のルミ子(団令子)が寝物語にその話を聞き「私も仲間に入れてよ」と言うと、岩尾は「お前の出番はもっと後にある。」などと言う。
岩尾と下山(西村晃)小西(加東大介)熊谷(久保明)の4人は計画を実行に移し、4000万円余りを手に入れるが、すぐに分けて使っては足がつくということで半年間は金に手を付けないことにする。
岩尾が借りた偽不動産屋の店舗の地下室に金を隠しルミ子が店番をするが、まもなく彼女のいわゆる「出番」がやってきて…

白黒スタンダードの画面で印影が強調されており、欲にかられた男(犯罪者)たちとそれらを惑わす運命の女(ファム・ファタール)が登場する、これぞフィルム・ノワールの典型。

団令子は良く言えば加賀まり子と岡田茉莉子を足して2で割ったような顔つきの女優で、本作では単なる悪女なだけではなくクールでしたたかな役どころ。
山崎務は無表情で何を考えているか分からない悪人が似合うが、それ以上に西村晃の顔が狡猾で極悪な人間にピッタリすぎる!
3人の顔だけ見ているだけでも充分楽しませてもらった。
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