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透明剣士のmitakosamaのレビュー・感想・評価

透明剣士(1970年製作の映画)
3.3
デアゴスティーニで初鑑賞。見たかったんだぁコレ!
透明の剣士だぜ!時代劇で透明人間ネタをやるという冒険作。発想がすごいよな。
実際に見たら期待に違わず面白かった。
かなりコメディエンヌな作品なんだね。

剣術道場で弱くてシゴかれる主人公、夕月三四郎。ステキなネーミング。
三四郎の父が巷を騒す窃盗団に斬り殺されてしまう。
妖怪しょうけらが親切にしてくれて、仇を討つ為の秘薬の作り方を教えてくれる。
それが透明人間になる薬。透明剣士になって悪漢共を退治するんだわ。

三四郎役の俳優さんもヒロインの女優さんもはよく知らない人。
主役は気の弱い設定だけど、顔はむしろ悪役感すらあるキリッとして強そう。ヒロインはあまり可愛くないなぁ。

その代わりというか、芸人が多数出てる。
岡八郎に、桂三枝(現6代目文枝いらっしゃーい)、やすしきよし。
けっこうこの芸人衆が出番も多くて存在感が強い。作品のカラーとしてはこの辺の脇役の色の方が出てる感じ。
因みに三枝が痩せててイメージが一番違う。正直気持ち悪い。キーボーもヤッサンはあのまんま。

三四郎を助ける妖怪が、しょうけらなんだ。
またマニアックなチョイスだなぁ。
しょうけらって、庚申待の際に人間の悪事を閻魔様に伝える虫みたいなものでしょ。なんでまたそんな妖怪を…
芸人が多数出てくるし、妖怪繋がりってこともあり大映特撮三部作に次ぐ4作目、という見方もあるけど、やっぱり少し毛色が違うかな。

あと春日清演じる死神が出てくる。
ヒロインの父が切られ死神が枕元に立つシーン。布団をひっくり返して枕元に立たせないネタは、落語の「死神」まんまだね。

透明剣士が活躍するときの軽快な音楽といい、展開の速さ、分かりやすさといい、全体的に良質なコメディという感じ。
「何か笑える邦画のコメディありますか?」と聞かれた際の、数少ない中の1本に入れようと思う。
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