一年ぐらい前に、たまたま観かけた映画があまりに怖くて最初だけ観てやめたことがあった。深夜の列車に座る死んだ子供、一人住まいのアパートの暗い食卓に座る死んだ子供。このイメージが強烈過ぎたのだ。
そのことをすっかり忘れていた。
タイムラインに上がったジャケ写が美しいことから興味を持って観ることにした。
ところが、開けてびっくり、あの映画だった。
#1370
2023年 405本
監督・脚本イ・スヨン
エグゼクティブプロデューサー
オ・ジョンワン
製作:アン・スヒュン、イ・ウジン
撮影:チョ・ヨンギュ
美術:チョン・ウニョン
結婚を控えたジョンウォン(パク・シニャン)は4人がけの食卓を購入した日、暗闇に浮かび上がる食卓に、地下鉄で毒殺されたはずのふたりの少女が座っているのを見る。
それ以来、恐ろしい幻覚は繰り返される。
そんな中、暗い過去を持つ謎めいた女性ヨン(チョン・ジヒョン)と知りあう。
彼女は霊感が強く、彼女と接するうちに彼の暗い過去が蘇る。
サスペンス・ホラーのイメージ。
ホラーそのものは、前半が中心、後はところどころにホラーの要素を織り込みながら、サスペンス仕立てで物語は進んでいく。
「猟奇的な彼女」が大ヒットしたチョン・ジヒョンが、このイメージが定着することを嫌い選んだのが本作で、それは成功しているように思える。
イ・スヨン監督はこの映画がデビュー作。
女性監督らしい怖さを感じさせる。それは彼女のママ友ジョンスクがマンションから赤ちゃんを落とすシーン。これはいかにも女性ならではのシーンだと思う。それに子供の幽霊のイメージも私には女性らしく感じた。それだけに斬新でゾーッとする。
ホラーはビックリさせられたり、驚かされたり、残酷なシーンを見せられるような映画より、私はゾーッとするホラーが一番怖いと思う。この映画を観て改めて思った。る