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チャルラータのMelkoのレビュー・感想・評価

チャルラータ(1964年製作の映画)
3.5
歌いまくるが、決して踊らない、インド映画。

お初の”モノクロ” インド映画。
1880年のインド、カルカッタ。新聞社を営む男ブパチ。まだ若いが杖をつき、頭の中は政治一色。当時のインドはイギリスの統治下にあり、彼はその植民地支配を批判する進歩的な論陣に健筆をふるっていた。そのブパチよりも若く、美しい妻チャルラータ(以下チャル)が主人公。一日中家にいて、特に仕事も家事もしない。あり余る時間、刺繍と読書をして過ごしていた。
(結婚した女性は家に入るのは当時のインドの常だそうで)
多忙なブパチはある日、チャルの兄夫婦を呼び寄せる。チャルの兄には新聞社の経理を担当させ、兄嫁にはチャルの話相手をさせることにしたのだが、チャルと違い字も本も読めず、全然話が合わない。退屈で顔が険しくなるチャル。
そんな時、ブパチの従弟アマルが大学の休暇で訪ねてきた。文学に精通するアマルと出会い、チャルも少しずつ笑顔に。二人は文学を通して交流を深め、お互いにほのかな想いを募らせていくのだが…というストーリー。

んー、私はあまりノレなかったし結構退屈だった。

家の中で暇を持て余し、年下の男に心を掻き乱され情緒不安定な、若く美しい妻

仕事熱心だが、不器用な頭でっかちで思慮が足らなさすぎる夫

陽気で快活だが、世間知らずでどことなく女性を見下してる感のあるアマル

まず、三者三様、好きになれない点が多く、登場人物に感情移入できない。
のんびりゆったり進行、突然歌い出すも不完全燃焼気味に途中で終わることが多く、スッキリしない歌に、家の中で暇を持て余す妻が主人公のため場面に代わり映えがなく、画面に飽きてしまう。
加えて、肝心なチャルの文才についての掘り下げが浅すぎて、え?それだけ?という肩透かし具合。アイデアが降りてくるところは、顔のドアップであんなに溜めたのに。
様々な理由により、ノリきれず、むちゃくちゃ長く感じた。。

がしかし、皆さんさすがの歌唱ぶり。アカペラであれだけコブシをきかせながら変幻自在に伸びやかに歌えるとは。
チャル役の女優さんが文句なしに美しいご尊顔。どの角度から見ても綺麗。
あと、お初の「ベンガル語」の流れる模様のような文字にちょっと感動。なんか、絵に見えてくる。文字の、未知との遭遇。
冒頭から何度も出てくる印象的なシタール?のBGMも良かった。

自分を置いてった男からの手紙、見ずにクシャクシャにして、読んだあとにビリビリに破く気持ち
妻が隠していた気持ちと、真実に気づいた夫、それに気づいた妻

忖度や遠慮や嘘が無くなってからが、夫婦の本当のスタートなのかもしれない。。

てか、チャルの兄嫁もアマルのこと狙ってたよね?三角関係…

ラストシーンは、電波悪くて絵が止まったのかと思ってヒヤッとしました。個人的には、意味がわからない演出でした。。
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