odyss

兄貴の恋人のodyssのレビュー・感想・評価

兄貴の恋人(1968年製作の映画)
3.5
【女優のレベルが今とは違う!】

DVDにて。
加山雄三と酒井和歌子、そして内藤洋子という、昭和40年代前半のスターを揃えた映画。

加山雄三が東京の若いサラリーマン。見合いをしては断っている。
その妹の大学生が内藤洋子。兄貴の見合いを厳しく監視している。
ふたりは阿佐ヶ谷に住んでいるようだ。オレンジ色の電車に乗って都心に通っている。
父が宮口精二、母が沢村貞子。

会社のOL(当時なのでまだBGと言っていた。ビジネス・ガールという和製英語で、これで「会社勤めの女性」の意味のつもりだったが、まもなくビジネスガールには娼婦の意味があることが判明し、それに代わってオフィス・レディという表現が使われるようになった)も、酒井和歌子や岡田可愛など、レベルが高い。岡田可愛はコミカルな役をやっている。

酒井和歌子は会社を辞めてしまう。横浜の貧しい家庭の出である彼女は、叔父に頼まれてそのスナックを手伝うことになったのだ。

一方、加山雄三には別の会社の専務令嬢との話が。
アメリカ留学帰りで美人の令嬢(中山麻理)である。
でも、令嬢と付き合ううちに、酒井和歌子のことが気になってきて・・・
あとは言わずとも分かるよね。

上記以外に行きつけの飲み屋のママを白川由美がやっている。
意外なことに、最初のあたりに樹木希林(この頃は悠木千帆と言っていた)も出てくる。
出てくる女優が、みな美人揃い(沢村貞子と悠木千帆を除く)。
今どきの、平凡な容姿の少女を美少女にでっち上げて作っている青春映画とはレベルが全然違う。
中山麻理は水着姿も披露している。
終わり近く、内藤洋子にも危ないシーンがある。

定型だけど、ちゃんと女優を揃えて安定した展開になっている。
こういう映画、今の日本ではもう作れないのかなあ。
odyss

odyss