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アフター・アワーズのfallenleavesのレビュー・感想・評価

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)
3.0
無一文で深夜の都市に放り出される、という話ですが、同じような経験したことあるので、ひたすらホラーでした。この映画ほどひどい目にはあってませんが、それでも凍死するかと思いました。あのときのような、よるべない、行き場のない、やるせない感覚がよく封じ込められた映画だなぁ、と感じました。一方、主人公グリフィン・ダン含め、登場人物がすべてサイコで、破滅的な方面にしか向かっていかない後味の悪さが残る一作でもありました。救いがなさすぎます。小品のなかにこれでもかという量の偶然の災厄が詰め込まれ、出来すぎた展開に少し醒めてしまうところも。カチッと最後のピースがハマって終わりを告げるラストシーンよろしく、災難のパズルゲームのような映画と割り切って観たほうが楽しめるのかもしれないです。
メモとして、端役ですが、チーチ&ジョンが出ています。美しいヒロインのロザンナ・アークエットはTOTOの大ヒット「ロザーナ」のモデルになった人なんだそう。当初『アフター・アワーズ』はティム・バートンが撮る予定だったそう。そもそもスコセッシっぽくないテイストの題材、筋の映画なので、バートンだとしっくりはきそうかな、とも思いました。あと、この映画で一番に印象に残る、キーを二階から投げ落とすシーン、小沢健二が「BUDDY」のMVでまんまオマージュしてましたね。「ドアをノックするのは誰だ?」というタイトルもしかりですが、オザケンはスコセッシ好きなのか、が気になりました。
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