ツクヨミ

アフター・アワーズのツクヨミのレビュー・感想・評価

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)
2.9
どんどんのっぴきならない状況に巻き込まれていく男の行く末。
マーティン・スコセッシ監督作品。なんかわりかしスコセッシ作品の中でもあまり聞かない名前でしなーっとカンヌで監督賞を受賞してる今作を鑑賞してみた。
まずオープニング、とてつもないスピードの横移動ショットで都会ビルディング社内を滑車し主人公のもとに繋ぐ勢いがいきなりスタイリッシュカッコいい。そしていつのまにやら仕事終わりのカフェでゆっくりお茶していると急にブロンド美女のファムファタールっぷりに魅せられる。まさに処女作"ドアをノックするのは誰?"や"レイジングブル"で見られる魅せられムーブが良い感じ。
まあ本編はそんなファムファタールに魅せられた主人公がホイホイ付いていってしまったがためになんか異常な厄介ごとに飲み込まれてゆくヘンテココメディになっている。後のウォンカーウァイの"恋する惑星"や"天使の涙"に出てくるよくわからないキャラの凶行を見るのが楽しいしいったいどこに連れて行かれるのかわからない展開に振り回されているのもまた気持ちいいのが不思議。言っちゃあスコセッシっぽくない雰囲気ビンビンなんだが美女に誘われる最初ややっぱり街のナイト都会ビジュアルの雰囲気がスコセッシっぽいのが香ってくる感じなんだよなー。
あとやっぱりドリーショットといかないまでも横移動やズームインのキレッキレさがマジでキマってて、なんか妙に惹き込まれるカメラワークが多かったなー本作。そしてめちゃくちゃキレイに収まり退屈life goes onに閉まるエンディングなんか拍手したくなる。スコセッシこんな映画も撮ってたんだなーってシンプルに感心した。
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