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オーケストラ・リハーサルのclintwestwoodのネタバレレビュー・内容・結末

オーケストラ・リハーサル(1978年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりフェリーニの映画はサーカスのようで楽しい。登場人物たちは名前が無いにも関わらず個性的で、今回はそれぞれの人物が担当楽器の性質を表したような性格をしている。インタビューシーンなど言うなれば楽器の擬人化であった。このシーンだけでも楽しい。
緊張から緩和の演出が見事であり、その場面は指揮者と楽団が調和していく契機のように思える(マグノリアのラストの「雨降って地固まる」的な)………。しかし、それはミスリードで、その後も全く同じように指揮者と楽団は対立し続けることを示唆し、映画は幕引きである。してやられた(最後に演奏されていた曲が、常に一定のテンポである無窮状曲である、ということが、その後も変わらない関係を示唆する伏線だ、という指摘を見てなるほどと感心した)。
今思い出したが、この監督は「緩」「急」の付け方、演出が上手い人であった。だからこの人の作品は、突飛なキャラばかり出てきても飽きずに楽しむことができるのか。やっと腑に落ちた。
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