不在

オーケストラ・リハーサルの不在のレビュー・感想・評価

オーケストラ・リハーサル(1978年製作の映画)
4.0
前に映画の編集をしている人の本を読んだ時に、編集とは時には監督よりも重要だ、と書いていたのをこの映画を見て思い出した。

劇中語られる指揮者の音楽論は、そのままフェリーニの映画論に思える。
これはオーケストラ版『8 1/2』なんだろう。
てんやわんや感はトリュフォーの『アメリカの夜』にも近い。

音楽をただの食い扶持とみなす者と、崇高なる芸術と崇める者。
食い違う価値観による産みの苦しみ。
そんな中突如現れる鉄球という名のデウスエクスマキナ。
監督だけが映画を作っている訳ではないのと同じく、指揮者だけがオーケストラではない。
そんな当たり前の事を再確認して、手を取り合う…と思いきや。
集団で仕事をするのは大変だ。
不在

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