コレもフェリーニらしさの表現形態⁈ 古い礼拝堂に集まったオーケストラ演奏者の面々、そこでのTV取材を含めたリハーサル風景が各々勝手な行動で一向に指揮統一取れない混乱ぶり。俺の楽器が一番重要だと自説のたまう演者たちを収束出来ず苛立つ指揮者。一旦休憩後再開するが混乱は増すばかり、指揮者拒絶の反旗にも顔色変えない指揮者。外界からの振動も加わり建物崩壊の危機に瀕して初めて団員がまとまり出す。壁に鉄球で大穴あきチリ埃舞い立つ部屋で悠然とタクトを取り指揮を始める指揮者…。どこかで出逢った感覚、指揮者＝監督フェリーニ自身を表していると思えば腑に落ちる。『8 1/2』の悩める監督が芸術家の矜持を持った監督に成長した物語と勝手に判断しました。
