ヨウ

殺人狂時代のヨウのレビュー・感想・評価

殺人狂時代(1967年製作の映画)
4.3
シンプルに面白すぎる。無駄な人間を抹殺するキチガイ組織。付け狙うのは水虫に悩むおっさん。冴えないはずなのに幾多の殺し屋を返り討ち。お供の剽軽さ、刺客たちのイカれ具合、そして仲代達矢の得体の知れないカリスマ性。闇深い危機を嘲笑うかのように蹴飛ばしていく様がまたとない爽快感。見かけによらない一騎当千の強さ。転がる屍。富士山麓に轟く銃撃。隠された奇妙な真実。運命の対峙。殺人で魅せる滑稽な活劇は殺人そのものに対する逆説的なアンチテーゼなのか?何ともパワフルでミステリアスな映画だ。多くの謎も込み上げる笑いで全てが吹き飛んでしまった。出てくる奴らみんな愛すべきヤバい奴ら。狂おしいほどに好きが募る。岡本喜八大先生、頭が上がりませんよ。
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