松長もんど

殺人狂時代の松長もんどのレビュー・感想・評価

殺人狂時代(1967年製作の映画)
4.0
岡本喜八の殺人狂時代。

「大日本人口調節審議会」を組織するマッドサイエンティスト”溝呂木省吾”。
主人公で謎の男”桔梗信治”を消し去る為に送り込んだ殺し屋は、催眠術史にトランプの殺し屋、義眼の女ときた!
まるでマンガのようなイカれた物語に、鬼才・岡本喜八のキレキレのカットが見事にマッチした、B級カルトムービー!
序盤のテンポが非常に素晴らしい怪作。
個人的には中盤以降に登場する殺し屋たちの活躍をもうチョット観せて欲しかったので、その点は残念。作品に反してDVDのジャケットがショボい点も気になる。

主人公桔梗信治を演じる仲代達矢を差し置いて存在感を放つのは、溝呂木省吾を演じる”天本英世”だ。あの口調と顔つきは一度観たら忘れられない。彼の存在のお陰で本作が成り立っているといっても過言ではない。
同監督の名作『日本のいちばん長い日 (1967)』においても、佐々木武雄大尉役として一際目立っていた。


くだらないアニメ実写なんてやってないで、こんな作品を撮って欲しい。



『日本のいちばん長い日 (1967)』
https://filmarks.com/movies/31587