KJ

殺人狂時代のKJのレビュー・感想・評価

殺人狂時代(1967年製作の映画)
4.7
めっちゃくちゃ面白かった。

こういう感じの(?)古い日本の映画は「七人の侍」しか見たことがなく、馴染みがなかったけど、「殺人狂時代」は非常に大好きになった。

画面がとても面白くて初っ端から引き込まれた。
セット、車、小物、服、登場人物、そしてそれを切り取るアングルがキマってて、バシッと絵になっている。

登場人物のキャラクターも面白おかしく、かつカッコいい。
主人公のトボケ切った顔が良すぎる。
かと思えば髪切ってメガネ外したらめっちゃくちゃ男前でたまげた。

仲代達也、初めて見たけど、顔もさることながら、演技がとにかく面白くて引き込まれて、最強の役者さんじゃんと思った。

序盤の、主人公の部屋で主人公とトランプの殺し屋が喋るやりとり、面白過ぎて声だして笑った。そこが一番好きかも。
セリフなどが漫画チックで癖になる。

全編通してボケ数多くて、ぶっ飛んでて可愛くて、コメディとして素晴らしかった。50年以上前の作品なのにこんなに笑えるって凄すぎる。
今作られた作品ですって言われても信じるくらい、
なんというか古臭くない。
もし当時、リアルタイムで見たらヤバかったんじゃないか。

最初は画面の綺麗さと変な笑いを楽しむ映画だと思って、笑って見てたけど、最後の方、しっかり見たら、かなり良くできた話!?ってなってもう一回見た。何回見ても楽しめそうな作品だ。

ウェスアンダーソン監督の「フレンチ ディスパッチ」が面白かった、と映画好きの人に話たら、「じゃあこれ見てみて」みたいな感じでDVD貸してもらって見たんだけど、確かに見た感覚がなんか似てたし、しっかりハマった。

しかも庵野秀明監督作品にもめっちゃ取り入れられてるって知って、(本当だ!)、何よりこの作品が面白かったから、岡本喜八監督の他の映画も見ようと思った。

知らないだけで、古い作品でも自分にドンピシャハマる作品はゴロゴロあるんだな...と思わされた映画。
それらをリスペクトして今の作家さん達も作ってるんだもんな。
連綿と続くオマージュとかってホントに面白い。
KJ

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